人生、しみじみと・・・

一児のパパTonyが、日頃のあれやこれやを斬ります。

国立大附属小学校受験②〜本番〜

ついにこの日がやってきました。
朝、まずは起き出してきた我が子に気合を入れるためにハイタッチ。その時の我が子は明るい笑顔で、変な緊張もありません。
親の私たちでさえ緊張する一次検定、試験本番だというのに、我が子はいつもと変わらず朝のテレビの情報番組を観ながら朝食。淡々としています。


思えば、受験準備を始めてからというもの、勉強中は勿論、夕食時のテレビは我が家では禁止となり、iPadのゲームも一切させていませんでした。その間、我が子もただひたすら問題のプリントばかりと向き合ってきました。
まだ6歳。遊びたい盛りにもかかわらず、不満も言わず健気に頑張ってきた我が子に、ごめんねといつも心の中で謝っていました。


我が子が国立附属小に行きたいと思うようになったのは、受験させることを決めてから一度校舎を見せに連れて行ったことも影響していると思いますが、それ以上に私と家内が食事時によく話題にしていることで、「お父さんもお母さんも僕が附属小に入ってほしいと願っているんだ」という意識が強く働いていたのかも知れません。そして、「合格してお父さんやお母さんの喜ぶ顔を見たい」とでも言うかのように、自分の目標として精一杯頑張ってきたのではないでしょうか。
そう考えると、正直ちょっと可哀想かなと思うこともあります。しかし、子供に勉強をする環境、習慣を与えてあげられるのは私たち親しかいません。
勿論、仮に合格して附属小に入ったからと言っても、その後遊んでしまっては意味がありません。要は、子供自身のやる気を引き出させ、努力して勉強を続ければ、必ず結果が出るのだということを、早くから認識させることが大事。
後々我が子が高校や大学に行く頃に、行きたい私立の学校に簡単に行かせられれば悩みはないのですが、我が家の経済状況も限度があります。そうそうお高い進学塾にも通わせられませんし・・・。
であれば、せめて実力が身につくような環境に子供を置いてあげて、国公立での志望校に十分行けるという所まで導いてあげたいというのが親心だと思うのです。


さて、我が子の人生初の入学試験という今日も私は仕事のため、試験に付き添うのは家内に任せていつもの時間に家を出ましたが、我が子には「精一杯頑張って来なさい。お父さん、祈ってるからね」と声をかけました。
「はい!」と元気な返事の我が子に安心。それでも仕事中は時計ばかりが気になり、そわそわするばかりでした。
仕事を終えると脱兎の勢いで家路を急ぎ、家の玄関を入るとすぐに、「ただいま! ◯◯、お疲れ様、どうだった?」と我が子に訊くと、「できたよー!」と明るい返事。それも模試や過去問に比べて簡単だったとのこと。
ホッとした反面、私は逆に少し不安になりました。というのも、ネットでは「ペーパーの成績が良い子が受かるとは限らない」というある種の定説で溢れていたからです。どういう基準で、どういうことが出来たら合格なのか誰にもわからないのですが、幼児教室やブログなどで共通しているのは「先生の話をよく聞ける子が受かっている」ということです。
尤も、実際には我が子が自分で言うほど出来ていなかったのかもしれません。
それでも、我が子は他に襤褸を出すような致命的な失敗もなかったようで、表情には力を出し切った感、達成感のようなものが窺えました。それを見ることが出来ただけでも私はとても満足しました。


「いや、ここで満足してどうする?」と思われるかもしれませんが、この子がこれまでのたった数ヶ月間でこんなにも成長し逞しくなったのを見て、私は嬉しくてたまらなかったのです。
どのサイトにもあるように国立小の受験は最後は「運」です。一次を突破しても、抽選で外れれば入学は出来ません。それでも昨日も書きましたが、私たち家族は、もしそういう結果になったとしてもそれが我が子にとって必要な道として受け止め、地元の小学校で前向きに、プラス思考で進んで行こうと思っています。


何か憑き物が取れたようにまったりとしている我が子は、「今日だけはゆっくりさせてモード」に入ってしまい、「どんな問題が出たの?」「先生との個別テストで何を訊かれた?」という私たちの質問に「忘れた」と言って答えてくれません(笑)ので、詳細はわかりませんが、きっと自分なりに何か手ごたえがあったのでしょう。今夜はとりあえず、ゆっくり休ませることにしました。


ただ、付き添った家内の話によると、試験会場である校舎に着くと、話しかけようとする家内を「し〜っ!」と人差し指を口に当てて制止し、「ここからは喋ったらあかん」と言ったそうです。
試験場前に来ていた進学塾MやKの先生たちも、「◯◯ちゃん、頑張ってね!」と声をかけていただいて、「(リラックスした)いい顔してるわ。これなら大丈夫や」と言われたそうです。
また、ペーパーテストの最中に斜め後ろの席の子が、緊張からか、或いは問題が解けなかったのか、いきなり泣き出してしまい、周囲が異様な雰囲気になっていた時に、ティッシュペーパーを差し出してあげたと話していたそうです。
確かに、私は「行動観察」のときの注意事項として、「転んだり怪我をした子は助けてあげなさい。自分のことしか考えないという態度は絶対にするな」と厳しく教えましたが、まさかペーパーテストの時にもそれができたとは、私もびっくりしました。
我が子は私たちが思う以上に、塾や私たち両親の教えをきちんと理解しており、それを忠実に守って受験してくれていたようです。恐るべき冷静さと、恐るべき舞台本番の度胸です。
我が子のこのティッシュの件が、正解なのか不正解なのか、また試験の評価にどう影響するのかは私にはわかりません。しかし、やったことは、人として決して間違ってはいないと思いますし、このエピソードで我が子には「恐れ入りました」と頭が下がる想いです。


今はただ、出来ることなら我が子の頑張りにご褒美を与えてあげたいと願うばかりです。


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